「取引コスト」とは何か?
自社で行っている原稿制作をライターに依頼すべきかどうか。判断がとても難しいものです。もし考えがまとまらない場合は「取引コスト」について考えるのも一案です。
「取引コスト」とは文字通り、取引を行うためのコストです。具体的にはライターを探し、条件交渉を行い、契約するまでにかかるコストや契約が正しく実行されるかどうかをモニタリングするコストを合計したものです。この取引コストが高い場合は自社で制作を行い、低い場合はライターを活用するのです。
取引コストのうち、大きくなりがちなのがモニタリングに伴うコストです。具体的には要求品質が確保されない、コミュニケーションが円滑でない、納期が守られない、業界について知識が不足しているなどの事象が発生し、修正や手待ちが多くなってしまうことが考えられます。とはいえ、モニタリングコストは自社の人材ではないライターに依頼する以上、必ず一定程度かかってしまうものです。重要なのはモニタリングコストをいかに小さくするかです。
モニタリングコストを小さくする
モニタリングコストは適切なライター選びによって小さくできると考えます。自社の制作物の目的を定め、それに合ったライターを選定するのです。選定のポイントは制作物の目的によって異なりますが、人間性や実績、業務ポリシーなどに注目するとよいでしょう。とりわけ重要なのは人間性だと考えます。というのも、ライターは取材という場で人とコミュニケーションを取る仕事であるからです。取材者の発言を尊重する、さえぎらずに最後まで話を聞く、決めつけない、取材者の感情に合わせるといった姿勢がライターには求められていると思うのです。もし気になるライターがいる場合は、いったん呼んでみて話をするのもよいでしょう。また、トライアルであることを伝えたうえで、発注を行い、実際の業務を通してコミュニケーションを取ってみるのも一案です。それでダメだと思ったら、次から依頼をしなければいいだけです。
モニタリングコストは業務の標準化を行うことでも小さくできます。互いに制作になれてくると、つまずくポイント(ボトルネック)が見えてくるはずです。ボトルネックが見えてきたら業務プロセス改善のチャンスと捉えるべき。表記の統一や制作フローの改善などを行いましょう。そうすることで、モニタリングコストは次第に小さくなっていきます。モニタリングコストは学習効果による部分も実際は大きいものです。ライターはやればやるほどその業界や製品に習熟するため、制作品質を向上させることができます。業務改善や標準化について意識の高いライターに一定回数発注し、学習効果を促進させることができれば、“あうんの呼吸”にまで持っていくことが可能と思います。
取引コストを検討した結果、自社で制作を行う場合もあるでしょう。その場合は、時間をかけすぎる、属人化するといった問題が発生する可能性があります。要するに「最適化が働きにくい」のです。そのため、業務について不断の見直しをしていくことが求められます。
- 「取引コスト」とは取引を行うためのコスト。ライターを探し、条件交渉を行い、契約するまでにかかるコストと契約が正しく実行されるかどうかをモニタリングするコストを合計したもの。
- 取引コストが高い場合は自社で制作を行い、低い場合はライターを活用することを検討。
- モニタリングコストはライターの選定と標準化によって小さくできる。
- 自社で制作を行う場合は、時間をかけすぎることや属人化などに注意する。
